ザトウクジラの生態について知ろう！

ザトウクジラってどんな生き物？

体長13～15m・体重30トンの大型哺乳類

沿岸部の海面近くを活発に泳ぎ回り、ダイナミックなパフォーマンスをすることから、ホエールウォッチングでは非常に人気の高いザトウクジラ。彼らは、シロナガスクジラなど、大型のクジラが属する「ナガスクジラ科」に分類され、体長13m～15m・体重約30トンにもなります。嗅覚はほとんど退化しているといわれ、水圧に耐えるために目は非常に小さく、全体的に黒っぽい色をしています。また、体長の3分の1ほどにもなる長い胸ビレが特徴で、その長さは約5m。機嫌のいい時には、この長い胸ビレを海面に打ち付ける"ペックスラップ"という行動も見ることができます。尾ひれの黒と白の模様は、人間の指紋のように個体ごとに異なるとされ、調査の際に個体を見分けるポイントになっています。

冬の期間だけ、出産・子育てに沖縄近海へ

ザトウクジラは、はるか遠いシベリア海域から、12月～4月の間、出産と子育てのために沖縄のあたたかい海にやってきます。ザトウクジラの赤ちゃんは、生まれた時からすでに体長4～5m、重さは1.5～2.0トンほどにもなります。ホエールウォッチングでは、仲良く泳ぐ母子クジラや、夫婦のクジラに出会うことも珍しくありません。

知られざるザトウクジラの生態

ザトウクジラの平均寿命は50年程度。夏場は北の海域で、主にプランクトンや小魚を食べ過ごしていますが、沖縄近海にやってくる冬場は、ほとんど食事をとらないと言われています。ザトウクジラは、稀にシャチに襲われることもありますが、人間以外の動物に捕食されることはめったになく、天敵はほとんどいません。また、ザトウクジラは"歌を歌う生き物"と言われていますが、それは、ザトウクジラの鳴き声が単なる鳴き声ではなく、一定のパターンを持って声を発していることに由来しています。ザトウクジラが歌を歌う理由は諸説ありますが、繁殖のシーズンに雄が歌うことから、雌への求愛のためではないかと言われています。

鯨の個性は尾びれに表れる！？

大きい方が親クジラ、小さい方が子クジラ。親子クジラの様に、体の大きさが違い、並んで泳いでいるクジラであれば、見分ける事はさほど難しくはありません。しかし、夫婦・カップルクジラの様に、体の大きさが同じクジラの場合はどうでしょうか。見分ける事ができる人は、きっと少ないと思います。一見すると同じ様に見えるクジラですが、実は、体の"ある部分"をよく観察と見分ける事ができます。それは"尾びれ"です！クジラの"尾びれの模様"は、人間の指紋のように1頭1頭異なっています。白と黒が混じった尾びれのクジラもいれば、全体が白かったり、黒かったりと様々です。

クジラは海中に深く潜る前に、尾びれを水面に高く持ち上げます。この行動は、ホエールウォッチング中によく見ることができるので、家族・友人と一緒に尾びれを観察しながら、「このクジラはさっき見たクジラだ！」、「あのクジラはさっき見たクジラと違う！」など、クジラ当てゲームをするのも面白いかもしれません。また、ホエールウォッチングが2回目以上の方は、前回出会ったクジラかどうかチェックしてみると、1回目とは違った楽しさが体験できます！